ふたつボタンと春風と


この部屋に荷物置いて3日が経って

歩き回って

近くにあるコンビニ ゴミ置き場

なんとなく分かってきたけど

 

それにしても電車ややこしすぎない??

調べ回って…

地下鉄はやっぱり混んでるかな

なんとなく分かってしまうよ

 

見れば見るほど似合わない

スーツのボタンをふたつ閉めて

「今回こそ上手くいくはず」と

靴を履いて鍵をかけた

 

四月最初の風

少し肌寒い朝が 僕たちを連れて行くよ

シワをのばしたシャツ 深呼吸ひとつ

今年も変わらず春が始まっていく

 

つり革に掴まれない混み方なんて思わなかった

よろけて ぶつかって 謝って

「休め」の態勢に切り替えた

 

見果てないほどに遠いかもしれない

理想までの距離

「でも 今回こそ上手くいくはず」

言い聞かせて 地上に出た

 

白く飛行機雲 伸びては消えてく

鮮やかな季節 逃さないで

染めたばかりの髪 空色の香り

「わたしもあの時 走り出していたんだ」

 

顔すら知らない君に歌いたい

「最初から上手くいかなくても

足跡見返して 笑える日が来る」

だから早く そのドアを開けて

 

四月最初の風

少し肌寒い朝が 僕たちを連れて行くよ

やっと開いた扉 拍手がわいたら

もう一度ここから春が始まっていく