晴天モノローグ


いつ来てもどこか工事をしていて

きっと完成することもなくて

いつも思う この街は変だって

さっと改札を抜けた私は

 

なんとなくここの常連気取り

歌にできるほどの夢が無くなって

大抵のことはそれなりに

無難にこなしてきたんだけど

こんな朝は少しだけ苦手だ

 

ああ 真っ赤なクレーンが

撃ち抜いてる青い空

じゃあ お前はどうするんだ?

問いかける狭い空

 

少し冒険をしてみたくなって

季節限定に賭けた200円

 

店を出たら 路上で誰か歌っている

まっすぐ誰かに向けたエール

待ち合わせの振りして聞いてみる

 

ああ やっぱりプレーンが

一番美味しいかもな

かじりながら歩き出す

眩しい日差しの中

 

青臭いエールが何故か耳を離れない

ああ なんて晴天だ

雲ひとつさえ見つからない

 

ああ真っ赤なクレーンが

狭めていく青い空

たまには知らない場所で

迷子になってみてもいいかな?

 

けどさ

やっぱりプレーンが

一番美味しいんだろうな

はあ 私はどうしようか

答えを迫る 見下ろす青い空