置手紙

これがもしかして貴方への

最後の言葉になるのなら、

長くなるから明るい部屋で読んで。

 

突然この手紙を見つけた

貴方の顔が見えるようです。

誤解しないで、まだ生きていきたいのだけど

でも、いつだって次があるの

当たり前とは言えないから

気づいた今がいい機会だと思ったのです。

 

「その日」が来たら、優しい涙で私を温めて。

 

恋していた季節も、愛されていたことも

忘れず棺に入れてね。

焦らずに生き抜いて。いつかまた…その時は

私は、美しい空で待っている。

 

貴方が本当は脆いこと、気づける人は少ないから

弱音を吐ける誰かを大事にしてください。

耐えられなくなった時には、ロープに手を伸ばす前に

花束を持って、私のところへ会いに来て。

 

恋していた記憶も、愛してくれたことも

忘れないでほしいけれど

悲しみに沈むより、どうか歩き出して。

貴方が一人で枯れないように。

 

ねえ。少しだけ眠いけど、最後のお願いだから

お気に入りの青のドレスを着せてください。

貴方の中の私は綺麗なまま居たいのです。

シワシワになった腕で、またいつか抱きしめて。

 

恋していた季節も、愛されていたことも

忘れず棺に入れてね。

悲しみに沈むより、どうか歩き出して。

私は、美しい空で待っている。

 

私はいつでも、空で待っている。