車窓

明日を急いで駆け足の街の

一際混み合う あの駅から

飛び乗り眠って 目をまた開けても

目的地はまだ遠い空

 

目を凝らして見て 離れてく街に

黄色の建物を見つけた

誰も気づかない 目をまた閉じたら

これで何度目かの さよなら

 

ずっと離れずに居たなら

どんな私が見つめ返しただろう

もっと遠くなってしまうのかな

言葉忘れても 時は過ぎる

 

変わらない暮らしがあったなら

愛しい人生に出会えたでしょう

帰れない 今はそう思うだけ

窓ガラスに映された 私の

体は電車に揺られて

何食わぬ顔で 西へと

 

おしゃべりな時代

照れ屋の彼女は先月 二人目が生まれて

目印にしてた黄色は もうすぐ

スポーツジムに変わるみたい

 

ちょっとだけ寄ってみようかな

理由を見つけて 諦める

きっと怖くなってしまうから

変われないのは 私の方だ

 

絶え間なく流れてゆく雲

見続ければ 気づかないのでしょう

変わらず迎えてくれるのは

少し歳を重ねた 街の色

もう一度探してみる

東京へ帰る窓から

 

変わらない暮らしがあったなら

愛しい人生に出会えたでしょう

帰れない 今はそう思うだけ

窓ガラスに映る 面影

 

絶え間なく流れてゆく雲

見続ければ 気づかないのでしょう

変わらず迎えてくれるのは

少し歳を重ねた 街の色

 

体は電車に揺られて

明日を急ぐ街へと

 

体は電車に揺られて

私を待つ あの街へと